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派遣切り一考 |  鴻日記

派遣切り一考

2009⁄01⁄07(水) 11:17
あけましておめでとうございます。

旧年中はありがとうございました。大変お世話になりました。

今年も、駄ブログ鴻日記から、だらだらと主婦の繰り言を発信致します。

お目汚しとは存じますが、どうぞ宜しくお願い致します。<(_ _)>


新年早々より我が家の犬猫のことで奔走し、気がつけば七草粥の日。

遅ればせながらの御挨拶となりました。ほんに申し訳ありません。


では早速 新年発のエントリーです。



■派遣切り一考■


「労働者の価値観が変わったんだね〜」とブロ友さんとお話したのは

去年の暮のことでございましたな。


派遣システムは元々数種の専門職に限定されておりました。

急速に進化したIT技術を中心とした技術革新への対応策だったはずです。

ところが2004年、製造業への適応が解禁され、生産ライン、単純作業、重労働などの

労働者層までが対象になってしまいました。


職業安定法 第44条

何人も・・・労働者供給事業を行い、またその労働者供給事業から供給される労働者を

自らの指揮命令の下に労働させてはならない。



労働基準法、労働組合、職業安定法はGHQの民主化政策の一環でした。

日本でもようやく「雇用者と労働者が対等である」とされたわけです。


私は派遣システムを「人転がし」「口入稼業」「ピンハネ稼業」 = やくざ稼業だと思っております。

非人道的なシステムだと考えております。


長らく専門分野の派遣をやってきた経験から特にそう思います。

専門職と言えども、競争社会を勝ち抜くため派遣労働者にしわ寄せをするなど

当たり前に行われておりました。

ある程度は「協力」出来ますが、専門技術を提供すべく派遣された私に

「金庫番」や「接待」まで押し付けようとした派遣先がありました。

「人権」「契約」に疎い日本にはなじまないシステムではなかったか、とも思います。

仲間たちとよく言いあったものです「私たちって人権ないよね」と。


生産ラインにまで派遣システムが解禁され、

生みの親である高梨昌信州大学名誉教授の言葉通り

「必要な部品を、必要な時に、必要な量だけ、

ラインサイドにぴたりと到着する理想のシステム」として利用され

大量の派遣切りが行われることとなりました。


また派遣企業側は、生き残りをかけて賃金のダンピングに応じる。

しわ寄せは勿論派遣労働者へ。

労働者は、生活保護よりも安い低賃金で働くことになる。

私がやってきた専門職でも、マージン(ピンハネ)率60%以上が常識となっていました。

そうでなければ維持できぬ、というわけです。

知れば知るほど巧妙なシステムでした。

客売り60.000-〜80.000-から 依頼元が紹介料の名目で30%〜50% 派遣元が60%を引く。

専門職でさえコレです。

(金の流れはブラックボックス。派遣労働者には明かされません)

政府や派遣を切った企業にばかり批判が向けられていますが、

批判の矛先を向けるところが他にもあります。

職業安定法の目を潜るシステム解禁を自民党に迫った経団連や

多額のピンハネで儲けるだけ儲け、挙句に放り出した派遣企業。

生活保護よりも安い賃金って・・・一体どこのタコ部屋?




製造業への解禁を機に、派遣システムは名実ともに

人間を商品化して利益を得る。

昔ながらの「やくざ稼業」と相成ったわけです。


昨今、派遣叩きの言説を見かけます。

「キリギリス」「備えておかなかった方が悪い」「システムを知った上で選択した自己責任」

「正社員になれない無能力者」・・・・等々。聞くに堪えない批判があります。


確かに一理あります。

「働き方の選択」「自由」というキャッチコピーに踊らされ

分を弁えず、妄想とも言える自分探しに夢中になっていた派遣もいたでしょう。

収入を悉く賭けごとに費やして蓄えはナッシング。まさにキリギリス人生。

でも・・・そんな人ばかりでしょうか。

低学歴でも、無能力でも、勤勉に働こうとしている人がいます。

そんなに人に 「無能力者だから仕方がない」と批判を浴びせる。

無能力者は生きる権利が保障されていないのでしょうか。

日本国憲法は、無能力者にも生きる権利を認めています。

低学歴、無能力かも知れません。しかし正直で堅実な人です。

日本国憲法が人権を認めている国民です。

日本は、低学歴、無能力でも 誠実さと勤勉を条件に、

ささやかでも幸せに暮らせた時代があったはずです。

そんな時代の再来を願う私は、甘ちゃんでしょうかねぇ。


低学歴、無能力者なら切り捨てても良い、野垂れ死にしても良い。

それが市場原理主義なんですか。

人間を、役に立つか立たないかの次元で判断するなら

役に立たない人間は全て切り捨てても可、野垂れ死にしても知るもんか、という話になりますね。


日本国憲法は、国民に労働の義務を課しています。

義務もへったくれも、労働の場を奪っておいて何を言うかって話です。


※昨今は高学歴の博士ワーキングプアが大量生産されています。
 これも自己責任なんですかねぇ。


無能力者と言えば正社員のお父さん方もある意味無能力者です。(ある意味です)

一企業で何十年と勤め役職についたお父さんがリストラされたら

今更潰しがききますかいな。潰しがききかないから同業種に再就職しようにも、

業界そのものが冷え切っていれば再就職の道は険しい。



このまま行きますと、格差が更に拡大するでしょう。

勝ち組・負け組、という言葉が大嫌いな私ですが敢えて使用します。

高学歴高収入両親の下に生まれた子供は、高く質の良い教育を受け

ツテや学歴を武器に勝ち組人生を歩みます。

低学歴低収入両親の下に生まれた子供は、教育を受けられず

(両親が子供に教育の必要性を説かない場合もある)

企業の使い捨て駒にされてしまう。


管理職のみが正社員なんて笑えない社会になるかも知れません。

その時「管理職に起用されるだけの能力がなかったから」と諦めきれますか。

派遣に起きていることは、いつかあなたの身の上にも起きるかも知れない。

非人道的なシステムを利用し、強者だけに生きる権利が認められる世の中が、

本当に正しいのか・・・。こんな国が良い国と言えるのか。


とっても重要な余談>


この度の大量派遣切りを受けて、政治団体が活発に動いています。
指揮っているのは共産党系の労組団体。
経団連系のパーティーに乗り込んで行ったり〜 (´∀`||;)
○○ユニオンなんつーのは九条信奉者の巣窟です。

ねぇねぇ立派な共産党本部や労組団体の講堂やらを
失業労働者のために開放してはくれないの?
なんでわざわざ日比谷公園?厚労省前だから?

創価学会の影もちらついている。
もうね・・・あんたたちの政治活動やら貧困ビジネスに
派遣切りを利用しないでくれないかしら。

共産党議員や民主党の管氏、また辻元清美が派遣村を訪れましたね。
あの〜民主党は確か、規制緩和に賛成しましたよね。ね。
与党叩きに派遣切りを利用すんな。
これじゃ解雇派遣への風辺りが逆に強くなるわ。
派遣村の人達って、ホントに派遣切りの人達だけなの?
なんだか胡散臭いな〜。

そりゃそーと、左翼の評論家 佐高信氏が言うておりましたっけ。

正社員は会社に飼われた社畜だ
社員住宅は社畜小屋だ
一生飼い殺しだ
人間らしく生きるために会社を辞めてフリーターを始めよう
派遣こそ自由人の生きる道だ



派遣労働を煽った張本人はどうしたの?



■大川周明■

日米開戦の真実―佐藤優著(小学館)を読んでみた。

この著書は、東京裁判開廷60周年の年、2006年7月に発行されました。


当時第一級と言われた思想家であり法学博士であった大川周明の

【米英亜細亜侵略史】前半部分と、

日米開戦直後の昭和16年12月14日から12回に渡ってNHKラジオで放送された

【大川周明の連続講話】を掲載し、佐藤優氏が分析解説したものです。


大川周明(wikipedia)


本書は語る。

アメリカはこの人物を恐れた。

オーストラリアのウェッブ裁判長は大川周明を精神異常と判断し、
1947年4月9日に、大川を正式に裁判から除外した。大川は米軍病院に入院させられ
(のち東大病院、松沢病院に転院)、梅毒による精神障害と診断された。
その後の精神鑑定で異常なしとされたが、裁判には戻されず、松沢病院での入院が続いた。

(wiki)



大川周明はなぜ東京裁判に戻されなかったのか。

佐藤優氏はこう述べる。

この免訴の経緯については謎が付きまとう。
大川が『米英東亜侵略史』の言説を法廷で繰り返した場合、理論的にては開戦の正当性について、
日本の大義と米英の大義をほぼ互角に持ち込めたであろう。
日本国民は当時の国家指導者に騙されて戦争に突入したのでもなければ、
日本人が集団ヒステリーに陥って世界制覇と言う夢想に取付かれたのでもない。



法廷に出廷した大川周明は、水色のパジャマに下駄ばきという異様な姿でした。

前席に座っていた東条英機の頭を引っ叩いたのは有名です。

鼻水を垂らしたまま合掌したり、パジャマの胸をはだけてみたり、

「一場のコメディーだ。みんな引きあげろ!」と叫ぶなど

それはそれは奇異な行動を繰り返しました。

この行動により、大川周明は「精神異常」とされ免責されました。


大川周明の法廷での立ち居振る舞いについて様々な議論がある。(中略)
あるいは裁判で死刑になるのが怖くなり、狂人を装ったのだという詐病説が独り歩きしている。



一過性の乱心があったことは、大川周明自身が『大川周明全集第一巻』に認めています。

私は乱心の結果、昭和21年5月上旬、巣鴨刑務所から本所の米国病院に移され・・・中略
この数か月の間、私は不思議な夢を見続けた。私はその夢を半ば以上は明確に記憶している。
然るにこの夢は、松沢病院に移ると殆ど同時に醒めてしまった。



しかし大川周明は法廷に戻されなかった。

ここで大川の東京裁判観を紹介します。

私は国際軍事裁判は、決して正常な訴訟手続きではなく、軍事行動の一種だと考えた。
われわれに対する殺生与奪の権限は、完全に占領軍に握られている。
然るに国際軍事裁判という非常に面倒な手続きをとろうとするのは、
そうした方がサーベルや鉄砲を使うよりも、われわれを懲らしめる上に一層効果的であると
考えたに他ならない。従ってこの裁判は一種の軍事行動であり、法廷は洗浄である。



大川氏は東京裁判が、連合国の日本に対する復讐であり

二度と米英に逆らわぬよう、教育または去勢を施す場である事を知っていたのでしょう。

そして国際軍事裁判は、大川氏の冴え渡るインテリジェンスが

法廷を「互角」に持ち込むことを恐れたのですね。


また大川周明の講和を聞いて理解し、戦争を支持した当時の国民のインテリジェンスを

言いふらされては困る。

それではアメリカ側が予め用意していたストーリー

「当時の軍閥に国民は騙されて戦争に突入した」
というストーリーが台無しになる。


・・・・ということでありますな。



さて、私の関心は、この著書に記された戦争の経緯や東京裁判はもちろんですが

それよりも、最終章の「歴史は繰り返す」に向けられました。

目が釘付けになり、これは是非読んでおこうと購入しました。


当時の状況と現在の国際状況が酷似している。

当時の国民のインテリジェンスと現在のそれを重ね、

戦争に至った経緯と大川周明の言説を分析しながら(以下引用)

「理論的には正しかったが戦争に敗けた」ではなく

「理論的に正しかったから戦争を回避し、日本と日本国民を生き残らせる」結論を

導き出そうとしている。


ちなみに、ここで述べられた「理論的に正しい」は、

決して「日本全然悪くない」という日本正義論ではありません。

佐藤氏のスタンスは「負け戦は絶対にすべきでない」です。

大川周明氏と佐藤優氏は戦争の不可避性を主張しながらも

『大東亜共栄圏構想』における日本の民族的欺瞞を鋭く指摘しました。

『日本が提唱した大東亜共栄圏は、現在のEUヨーロッパ連合を先取りするような構想だった。

しかし植民地支配からアジアを解放するために、一時的に日本が植民地にするという

自己欺瞞の罠に陥ってしまった』

日本は国家を強化するために植民地からの収奪を強め、

アジアとの歯車が狂ってしまいました。

日米開戦は、この連鎖の中で起きたことは明らかとしています。


「歴史は繰り返す」に引用された大川周明の言説中にある英国を

全て米国に読み替えると、「なるほどな〜」と納得しました。

大変 有益な著書でした。


日本外交の弱点とも言うべき「性善説という病」の章も興味深い。

まだまだ咀嚼が足りません。もう一度熟読したいと思います。

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